天職がわからない、すぐに飽きてしまう、どんなことも中途半端。自分って器用貧乏なのかな…と思っている方、あなたは「マルチ・ポテンシャライト」かもしれません!様々なことに興味を持ち、次々をプロジェクトを立ち上げ、多くのことをクリエイティブに探求する人が「マルチ・ポテンシャライト」なのです。
今回は、「マルチ・ポテンシャライト」という新しい働き方を示している本をご紹介いたします。

「マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法」(著:エミリー・ワプニック、訳:長澤あかね)という本です。
「マルチ・ポテンシャライト」とは?
「マルチ・ポテンシャライト」とはこの本の著者の造語で「マルチ(多くの)」「ポテンシャル(潜在能力をもつ)」「アイト(人)」を繋げた言葉です。
本の中では、博学者・ルネサンス人・何でも屋・ゼネラリストなどという言葉にも置き換えられています。
ルネサンス人という言葉がイメージが掴みやすく、レオナルド・ダ・ヴィンチのように音楽、建築、数学、幾何学、解剖学、生理学、動植物学、天文学、気象学、地質学、地理学、物理学、光学、力学、土木工学など様々な多くのことに興味を持ち、豊富な知識を持って実践していた人のことです。
彼は「マルチ・ポテンシャライト」の究極系ともいえる存在ですのであまり参考になりませんが、私たちでも1分野での職業にこだわらずに、2〜5分野(もっと多くても可能)の掛け合わせで仕事をすることができる!と提唱しているのが「マルチ・ポテンシャライト」の本の内容です。
この本の著者は、音楽→WEBデザイナー→映像制作者→法律家という全く別ジャンルの仕事を渡り歩いてきて、自分の一貫性の無さに悩んでいた時期があったそうです。そしてたどり着いた答えが複数の技術・知識を掛け合わせて仕事にしていく「マルチ・ポテンシャライト」という生き方を生み出したのです。
この記事を書いている私自身も様々なことに興味があり、どれもこれも中途半端で浅いのかな…と考えたりすることもあったので非常にためになる本でした。
「マルチ・ポテンシャライト」の働き方
「マルチ・ポテンシャライト」はいくつかの分野を掛け合わせて、それが交わる場所で活動しています。
「イラストレーター」をしていて、「カレー」も大好きでブログでカレーのことを発信していたら「カレー記事」の連載のお仕事をいただいているような方もいます。「カレー」が好きだからといって「カレー屋さん」にならなくてもお仕事になるようなことがあるのです。
私の場合では、趣味でYouTubeで動画を配信していて動画制作の技術があったため、Udemyというオンライン学習サービスでIllustratorというデザインソフトの講座を作って仕事にしています。
大切なことは、どのスキルも一流ではなくても大丈夫ということです。どのジャンルでも上には上がいるので、掛け合わせることによって独自性を生み出すのです。
「マルチ・ポテンシャライト」は短期間に集中して熱中する性質があります。それぞれの個性やジャンルによってまちまちですが、Aに1年間集中して、ある程度技術が高まってきたところで、Bに2年間費やすという順番に情熱が移っていくパターンもありますし、A,B,C,Dの4つのことを同時に進めるというパターンもあります。
「マルチ・ポテンシャライト」の3つのパワー
本の中では「マルチ・ポテンシャライト」の5つのパワーを紹介していますが、ここでは3つのパワーをご紹介します。パワーと書いてありますが「特徴」ともいえます。
1、アイデアを統合できる
「マルチ・ポテンシャライト」は物事を統合するのに長けています。様々なジャンルに興味があり、知識もあるため新しいコンセプトを生み出すことができます。例えば「熱帯魚」×「芸術」という違ったジャンルの掛け算で新しい何かを生み出すことができます。
2、学習速度が速い
「マルチ・ポテンシャライト」は様々なことに興味を持つため、初心者になることを恐れません。また、初心者の状態から一定レベルの技術・知識を身につける方法も体に染み付いています。熱心に取り組むため、短期間のうちに最大限の吸収をすることができます。
3、さまざまな分野をつなぐ「通訳」になれる
この3点目のパワーが何よりも大切な部分です。「WEB制作」の技術や知識があったとして、全く別のプロジェクトを立ち上げた時にはすぐにWEBを作ることができますし、もしくは外注するとしてもスムーズに物事が進むでしょう。
普段は「絵画」を描いていても「起業」の知識があったとすれば、「芸術」分野でも起業に関係することはたくさんあるので、「アーティストの気持ちがわかる起業相談屋さん」になることもできます。
過去に「何か」を集中的に学習したからこそ「〜の気持ちがわかる」存在になれるということはとても貴重な存在となります。
あなたも「マルチ・ポテンシャライト」かもしれません
この記事を読んで、これって自分のことかも!と思った読者さんもいらっしゃるのではないでしょうか。すぐに飽きてしまう、どんなことも中途半端。自分って器用貧乏なのかな…と思っている方、この記事を読んでいる方はクリエイティブな方々だと思いますので「マルチ・ポテンシャライト」という生き方が向いているのかもしれません。
この本の趣旨は「こういう性質だからあなたはマルチ・ポテンシャライトです」という意味ではなく、様々なことに興味を持って情熱にしたがって仕事にしていく「マルチ・ポテンシャライト」という生き方もありますよ、と提案している内容です。
本の中では、どうやってモチベーションを保つか、生産性の上げ方、情熱が薄れてきた時の「やめ時」の見極め方なども書いてあり、とても参考になります。
「マルチ・ポテンシャライト」の内容にグッときた方は、ぜひこの本を読んでみて、クリエイターとしての新しい一歩を踏み出してみてください!
本の著者のエミリー・ワプニックさんのTEDトークも素晴らしいのでぜひご覧ください。(字幕を日本語に切り替えてご覧いただけます)
