クリエイター入門

委託販売のはじめ方!販売までの流れ・専門用語・気をつけること!

クリエイター活動をし始めて商品を作り始めると、商品をどこかのお店で売って欲しいなと思うことでしょう。今回は「委託販売」について、始め方から納品・販売までの流れと、専門用語の解説・いくつか気をつけるべきことをご紹介します!

まず、大前提として「委託販売」とひとくちに言ってもお店によって、始め方や納品方法など様々な違いがあります。今回は、筆者の経験(全国60店舗以上の実績あり)と、知り合いのクリエイターから聞いていることを中心に一般的な委託販売について書いていきます。

委託販売とは?

まず、委託販売とは商品をお店に預けて売ってもらうことです。売れた分だけ、販売手数料をお店が受け取り、売れた分だけクリエイターのもとにお金が入ってきます。

お店としてはリスクな少ないため「まずは委託販売で」とスタートするパターンが多いです。

「委託販売」とは別に「買取」というタイプもあります。買取とは、お店がまとめて仕入れて、クリエイターには納品した分の売り上げ全てが入ってくる仕組みです。お店としてはリスクの高い方法ですが、クリエイターとしては売り上げが確定するので嬉しい条件です。

委託販売の始め方

委託販売の始め方は大きく2通りあり、「自分から委託先のお店を探す」「バイヤーさんに声をかけてもらう」のどちらかです。

自分から委託先のお店を探す場合は、インターネットやツイッターなどで調べて、委託販売をしてくれるお店やイベントを探して応募します。レンタルボックスというタイプの、40cm四方程度の場所を借りて作品を販売する方法もあります。

ほとんどのお店・イベントには作品審査があると思いますので、しっかり「売れるレベル」の作品を作ってから応募しましょう。

バイヤーさんに見つけてもらう方法は、デザインフェスタやハンドメイドマルシェなど大きなイベントに出展してバイヤーさんから声をかけていただく方法です。イベントで声をかけていただき、大体の条件を話して、後日メールでやりとりをして納品し、委託販売がスタートします。(「条件」については後ほど記載)

大きなイベントには、メジャーなお店のバイヤーさんが多く来場されています。筆者の作品の「もにまるず」はイベントでのお声かけだけで50店舗以上に広がりました。

バイヤーさんが見ているポイントは以下の記事をご覧ください。

販売手数料はいくらくらい?

「委託販売」「買取」でも、販売手数料というものをお店にお支払いします。販売手数料がお店側の利益です。

販売手数料は「マージン」「掛け率」などとも呼ばれるので覚えておきましょう。

お店によって、出会い方によって販売手数料は大きく幅があるのですが、30%〜60%くらいが一般的です。

販売手数料が40%だとします。販売価格1000円の商品があったとして、販売手数料が400円、クリエイターに入ってくるのが600円ということになります。

この場合、販売価格が1000円でもクリエイターに入ってくるのは600円です。材料費・制作費(場合によっては生活費)などをしっかり考えて、600円の売り上げで利益が出るのかを検討してか委託販売を考えましょう。

商品ごとに原価を計算しておいて、販売手数料が何パーセント以上であれば利益が出るのかを計算しておくと良いでしょう。

「上代」「下代」とは

お店の方と話を進める中で、販売手数料の話と一緒に「上代(じょうだい)」「下代(げだい)」という言葉が出てくることがあります。

「上代」とは、商品の販売価格のことです。つまり、お客様に見える金額です。「上代はいくらですか?」と聞かれたら、「税抜き1000円です」「税込み1080円です」などと答えます。

「下代」とは、販売手数料を引いた金額のことです。

税抜き1000円(上代) – 販売手数料400円(40%) = 600円(下代)

下代とは、お店側から見た「仕入れ値」とも言えます。

「上代」「下代」は会話だけではなく、納品書にも記載する場合が多いので覚えておきましょう。

また、下代はお客様に見えてはいけない数字なのでクリエイター自身とお店の方しかわからないように気をつけましょう。(値札に下代を書いたりしないように)

バイヤーさんに聞かれる「条件」とは

バイヤーさんとやりとりしていると「条件はどんな感じですか」という質問を受けたりします。これは今まで述べた、「委託 or 買取」なのか、「販売手数料」の希望と、「支払いタイミング」のことを言います。

「委託販売 or 買取」はバイヤーさんと相談して決めることになります。

「支払いタイミング」や「支払いサイト」と呼ばれるのは、いつお金が振り込まれるか(受け取れるか)ということです。「翌月末」もありますし「翌々月末」もあります。これもお店の方針で決まっていることが多いのですが、可能であれば売り上げは早めに回収した方が資金繰り的に良いので「翌月末」を希望すると良いでしょう。

委託販売のメリット・デメリット

「委託販売」のメリットは、お店にリスクが無いため、多めに納品できるのできることが多いです。売れ筋・魅せる商品などをしっかり置いてブランドイメージを伝える売り場を作ることができます。

また、メジャーなお店に置いていただけることは実績になりますので、販売手数料が高くて利益がギリギリでも実績作りとして出店するという考え方もあります。

デメリットとしては、急速に取り扱い店舗を拡大した場合に、資金が不足する状態になることです。5個や10個では売り場が成り立ちませんので、1店舗に50個納品するとします。

原価400円の商品 × 50個 = 2万円

1店舗だけなら良いのですが、もし10店舗になったとすると20万円が先にかかることになります。

これは急速に展開する場合の話なので、これから委託販売をスタートする方は心配しなくても大丈夫ですが、このようなことがあるということは頭の片隅に入れておくと良いでしょう。

すでにTwitterなどでファンの方がいる場合は、無理に委託販売をしないで、minneやBASEやStoresなどで通販をするのもひとつの方法です。お店で売るよりも販売手数料が低い分、利益が多いからです。

最後に:お店の方のことを考える

さて、めでたく委託販売が決まったとして、ここからが大切です。お店の方への配慮です。

納品した商品が箱から取り出しにくかったり、バラバラしていたら扱いずらいですよね。同じ商品はビニールでひとまとめにして、検品をしやすくしたり、商品名がわかるように記載したり、お店の方が商品を扱いやすいように考えて納品しましょう。

また、メールはなるべく早く返信し、納品も素早く行いましょう。プライスカードやPOPの同梱が必要かどうかも聞いておくとGoodです。

長くお付き合いをするためにも、お店の方への配慮を忘れずに対応しましょう。

まとめ

クリエイター活動をし始めて商品を作り始めると、商品をどこかのお店で売って欲しいなと思うことでしょう。今回は「委託販売」について、始め方から納品・販売までの流れと、専門用語の解説・いくつか気をつけるべきことをご紹介しました!

販売を始めると、作品制作だけでなく様々な仕事が発生してきます。慌てずにひとつひとつ対応していきましょう。わからないことがあれば、お店の方に相談するのが一番です。

それでは、委託販売を初めて、クリエイターとしての新しい一歩を踏み出しましょう!

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CREMAGAライター

渡部学/クリエイター
2015年 株式会社ワンダーマーク設立。​2022年現在「もにまるず」「Ambiance Paper」「TRFG」などオリジナルブランドの運営をしながら、グラフィックデザイン・WEBデザイン・Udemy講師などをしています。武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科 2010年度卒。
https://www.watabemanabu.com/

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